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2008年1月 3日 (木)

辺境を歩いた人々(宮本常一)

 民俗学者・宮本常一が、江戸後期から明治にかけて日本の辺境を旅した人々について書き記した伝記。

 中学生から高校生向けに平易な言葉で書かれているが、頼三陽や高野長英といった人物名が、解説なしで出てくるので、その程度の歴史を知っていないと楽しめないかもしれない。(この本が書かれていたころは、この程度の人物は、知っていて常識だったのかもしれないが)


 取り上げられているのは、八丈島に流され島の詳細な記録を残した近藤富蔵、蝦夷を旅して収奪を受けるアイヌへの同情を禁じ得なかった松浦武四郎、みちのくを旅して幕末に頻発した飢饉の恐ろしさを書き記した菅江真澄、琉球・八重山の人々のくらしを改善するために力を尽くした笹森義助の4名。

 いずれも、宮本が取り上げなければ、全国に知られることはなかっただろう。宮本は、自身も、小さな村に住む人々のくらしを訪ね歩いたことで知られているだけに、同じように全国を訪ね歩いた人々の視点に、自分と同じまなざしを重ねて伝記をまとめている。

 市井の人々一人一人のくらし上に日本が成り立っているのだという思いが、底辺に流れていると感じた。

 また、この本では、漢字の使い方が秀逸。地名、人名は難しくとも全て漢字だが、「いく」「あるく」などの大和言葉は、ほとんどがひらがなで書かれていて、それがまた個性になっている。


 北海道の語源をこの本で知った。また、飢饉の中を行く菅江の記録もまたリアルで、当時の生活の厳しさが忍ばれる。(河出書房新社)

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