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2008年1月 7日 (月)

「学び」を問いつづけて(佐伯胖)

 佐伯胖氏の雑誌に寄稿した原稿や講演の記録を一つにまとめて整理した本。文字は小さくかなりの厚みがあるので、読み応えがある。ときどき難解な言い回しもあるが、著者の主張は一貫している。

  •  授業の目的を作業方法の理解にしないこと。
  •  発問は教師が投げかけるばかりではなく、子供の方から「どうして○○なの?」と問いかけてしかるべき。
  •  教師が行う、本来の発問は、答えを言わせるのではなく、発問が刺激となって子供の探求が始まる発問。固定観念を変える、例を考え出させる、単純化して考えさせる、矛盾を指摘する、など。
  •  自己の可能性に対して、現実的な目でとらえることを知る。テストで、自分が何点くらいとれそうかを、恐れず客観的に判断できる自分になれば、自分の可能性を見据えることができる。
  •  学ぶことをマナーとすり替えてはいけない。本質ではなく、入り口だということを理解させる。
  •  テストでコミュニケーション
  •  何を基礎と見なすべきか
  •  自学自習できるように、心情豊かにとか、正しく思考する子供にとか、一つ一つを独立したものとして、「学習させる」ことで学力を身に付けさせることができるというのは、「ヤブ医者の誤診」。

 それこそ、部分をとりだして論じても、この本の真意は伝わらないだろう。相当読み応えがあるが、全体を読んで総合的にとらえるしかない。

 子供たちの力を高めるためにどうしたらよいのかと試行錯誤しているわれわれにとっては、「そうはいっても」と思うところもあるが(例えば基礎基本のように)、「『学ぶ』とはどういうことかを学ぶ」項があったり、独学とはどうすることかを論じたりと、具体的に書かれている章も多く、普段あまり考えない本質的なことを考え直すきっかけになった。

 要は、対症療法的に、それぞれの力を伸ばすのではなく、全体の大きな枠の中で、自分たちは、どこをどうしようとしているのかを知っておくことが大事。学びの統合、学んだ成果をスキームとしてイメージしておく、という視点が必要だということか。

 

 実は、かなり前に買った本で、ずっと書棚に積ん読だったが、今読めたことが返ってよかった。

 佐伯胖氏には「教育とコンピュータ」という名著があるが、情報教育に関わる実践を行う教員であれば、そちらも必見だと思う。とはいえ、現在のところ、古本しかないようだが。

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