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2008年9月13日 (土)

実物投影機活用実践セミナー in 東京

 日本教育工学振興会が主催する、実物投影機活用セミナーin東京 に参加した。運営は、エルモ社。前回大阪はパネルに登壇だったが、今回は、一参加者だった。

 3時間のセミナーは、模擬授業、ポスターセッション風体験展示、パネルディスカッション、講演といった展開で行われた。

Img_9211  

 模擬授業は、神林さん@札幌屯田南小の英語活動(外来語と英語)、田村さん@松戸馬橋小の算数(6年立体)、金さん@米沢南原中の書写(行書)の3本立て。それぞれ8分で実践を行った。

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 テンポのよい展開は心地よいが、それを支えるのは、授業者の確かな授業力。この時間で何をねらっているか、ねらいを達成するためのICTの効果は何か、さらに、それを楽しみながら習得するにはどうするか、といったことがよく構想された模擬授業だった。

 

 パネルディスカッションは、わたしはこんな風に使っている(日常の活用)、ちょっとした活用の工夫(より使いやすくするための環境の工夫)、校内に広める工夫、の3つの視点から、3人の先生の発表があり、高橋先生@富山大が、それらの活用の意味づけを、データを示しながら行った。

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 廣政さん@東京原町小は、日々の活用を写真と短いコメントで淡々と語り続けた。10分の発表が、それだけで成立するくらい、日頃からよく使い倒しているということ。かつては、ICTを活用することはないと自認していたという廣政先生が、今は、実物投影機のない授業は考えられないという姿が、とても印象的だった。

 石井さん@八戸根城小は、気がついてしまえば当然なんだけれど、なかなか気づけないちょっとした工夫をいくつも紹介して、会場の納得を誘っていた。中井さん@三重大教育学部附属小の校内に広げる工夫は、ICT活用にアウエイな雰囲気の残る職場での振る舞い方を、具体的事例を基に示していた。

 いずれも、実践に裏打ちされている、説得力のある内容だった。それに、追い打ちをかけたのが、高橋先生の報告。いつもより一段とどっきりさせる展開で、会場を引きつけていた。ICTを包丁に例え、包丁が危険なことは自明だし、悪い点をいくらあげつらっても料理の腕はよくならないのだから、それよりは、料理の腕を磨いた方がよい、というたとえ話に、誰もが納得していた。

 

 最後に堀田龍也先生が、ICT活用を実物投影機から始めることの意味を、講演で分かりやすくまとめた。

「実物投影機は、うまい先生のうまいところを拡大してため息をつかせる。逆に、うまくない先生はうまくないところが伝わる。従って、実物投影機が来たらすぐによい授業になる分けではない。
 ワープロソフトがバージョンアップしても、文章がうまくなるわけではないのと同じ。結局は、先生が授業の腕をどう磨くかにかかっている。」

 

「これまでのICT活用は、授業ではなく道具がすごくなっているだけで、明日すぐできるわけではない実践が多かった。一部のマニアックな実践が、マイナスオーラを発していた。

 教師は忙しい。準備に時間がかからない、苦手な先生でもできる、子どもが分かる、そういうICT活用を願っている。本当に必要なことに貴重な時間を使いたいと思っている。

 多くの教師は、子供たちに分かるようにできるようになってほしいと考えて授業をしている。その『分かる、できる』を実現するのが、実物投影機、プロジェクタ。毎日の授業を変えないICTは広く普及しない。」  

 大事なポイントのぎっしり詰まった講演だった。 

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 途中の、ポスターセッション風体験展示では、発表した6人の先生が、6つ設けられたブースの一つを担当し、教科書、プリントや、分度器等の様々な実物を駆使して、実践の仕方を紹介していた。

Img_9173 紙版画

Img_9190 みのむし

 紙版画の指導での活用、天気の衛星写真を使ったパラパラ漫画風の見せ方など、教師の数だけアイディアがあるのだなと、改めて思った。

 

 授業を体験し、活用を体験的かつ具体的に知り、さらに、様々な事例紹介を受け、さらに理論的にも意味づけていくという、とても内容の濃い、充実した、それでいて、納得のできる分かりやすいセミナーだった。東京ということもあって、会場には、文部科学省初等中等局の方も参加され、高い関心を示されていた。

 講演の途中には、本校の校内研での様子が随所に登場して、会場の人々を納得させていた感じ。講演の最後に、先日の日経新聞の記事と本校の公開研の紹介もあった。こうして、講演を通して参加を決める人も少なからずいるのは、現在までの申込者の所属を見れば予想がつく。

  

  実物投影機の活用は、教員のICTに対する苦手意識を確実に解消する。教師の従来の授業スタイルにしっとりとけ込んでいくが、それが、いつの間にか授業のスタイルを変えてしまっている。その上、他のメディアの活用に対しても、スタートラインが高くなっている分、抵抗感なく取り組める。

 従来の実物投影機では、ここまでドラスティックな変化を呼ぶことはなかったかもしれない。しかし、富山市が全小学校の全教室に配付した、エルモ社のL-1n「みエルモん」は、その性能の高さと操作性の簡易さが見事にマッチして、授業への活用に大変な効果を及ぼすこととなった。

 

 本校の公開研の主旨も、まさに、日常的なICT活用。特別な単元を構成したりせず、日々の授業そのままの中に実物投影機を取り入れたときに、どのような実践ができるかについて、些少ながら提案する。多少なりとも、イメージを持っていただくことができたなら、幸いである。

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コメント

笹原先生、セミナーにご参加いただきありがとうございました。
そしてセミナーの様子も詳しくご紹介いただき、ありがとうございます。
先生方によい授業をしていただけるように、これからも「みエルモん」と一緒にご支援させていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。
11月28日の公開研、楽しみにしています。

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