帰りの飛行機まで時間があったので、国立西洋美術館で開催されている「ルーブル美術館展」を見に行くことにした。GW近い日曜日ということで、かなりの列。入場までにすでに、30分近く並んだ。
今回の展示の目玉は、フェルメールの「レースを編む女」。A4サイズ1枚程度の、想像以上に小さな絵だったが、フェルメールが寡作ながら名を残している理由は、作品を見れば一目瞭然。
静謐かつ精緻な作業を行う女の、圧倒的なまでの強い集中力を感じさせられた。光の部分の明るさと影のコントラストが美しく、細部まで繊細にピンと張り詰めた空気感まで描ききっているのはすごいと思った。
17世紀絵画は、風景や建築物、あるいは、静物を写実的に描いた作品が多くある一方で、神話や宗教を素材とする絵画も多く、その時代の世相を強く感じさせる。
ガリレオやニュートン、デカルトなどの科学者や哲学者が登場する一方で、神話や伝説が事実として辞典に掲載されたりしていた。王家や貴族は豊かに暮らす一方で、庶民の生活は貧しく、その日の食にさえ事欠くことも少なくなかった。
そういう時代の風景をそのまま切り取って描いているのが、ヨーロッパ絵画のすごいところだと思った。
印象的だった作品を集めてみた。

「王女マルガリータの肖像」。ベラスケスの代表作の一つ。王家の豊かさの象徴。

フェルメールと同時代のオランダの画家、ヤン・ステーンの「家族の陽気な食事」。喧噪な中のあちらこちらに皮肉と暗示が隠れている。

ラ・トゥールの「大工ヨセフ」。右にいるのは、幼き日のキリスト。父ヨセフが穴を開けている材木は、十字架の象徴なのだとか。実際の作品は、全体にもっとトーンが暗く、その分キリストの持つろうそくの光が印象的だ。
バクハイセンの「アムステルダム港」。この頃のオランダは、海外貿易の中心として経済を担っていた。 出航していく船の横に差す、一条の日の光がとても印象的。全体に明るく精緻に描かれた港の風景からは、海外貿易の黄金時代が感じられた。
ほかにも、いくつか気になった作品があるが、まぁ、この辺で。みなさんも機会があれば、ぜひどうぞ。
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