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2010年2月 5日 (金)

立命館小学校公開研・公開授業

 写真がないため、文ばかりになってしまいました。しかも、長文になってしまったので、申し訳ないですが、覚悟して読んでください(笑)。

 

 午前中は、2校時の公開授業と、1校時の提案授業がありました。立命館小では、1校時40分で授業が行われています。発問を吟味したテンポのよい授業で、それが可能になると考えているようです。ICTの道具としての活用もそれを助けているようです。


 立命館小では、授業づくりが研究の対象となっていました。定着した基礎基本をベースに、思考力、判断力を育てるための素材の選択と教材化、発問の吟味と構成が、研究の中心のようです。

 その上に、読解の視点(国語科)、条件不足の教材構成(算数科)、「人」「もの」「こと」との対話(社会科)など、教科の特性の応じた研究の視点をもっているようです。また、対話・討論を取り入れた、「発見や創造」のある授業を志向しているようでした。

 

 基礎基本の上にのった、思考力・判断力・表現力を育てる授業、というのは、山室中部小が目指しているところとゴールは同じです。ICTが道具として定着している分だけ、より授業づくりにシフトしていて、大変参考になりました。

 


 参観した授業の感想は以下の通りです。できるだけたくさん見ようと、ぐるぐる回っていたので、断片的、一面的な見方になっているかもしれません。授業者の意図とは、はずれるかもしれませんが、わたしの見方がそうだったということで、ご容赦ください。

 
☆5年国語:注文の多い料理店

 料理店の扉に書かれた文から、どの言葉に注目してどんなことが読み取れるかを考える授業でした。2つ読み取る、と条件を加えることで、言葉の多義性を理解させるのがねらいです。

 扉の文はいくつも出てきます。一つ目を例示として、次の言葉を考えていくことによって、子どもたちは文章の読み解き方を理解していきました。内容理解だけなく、学び方の学習にもなっていました。

 

 発問5は、扉とその文字に使われている色から、どんなことが読み取れるかを考えました。「注文の多い料理店」は、これまで何度も読んでいましたが、色を意識して読んだことはありませんでした。

 教材研究するとは、こういうところを読み解くことなのだなと感じました。

 

 

☆3年社会:森からのおくりもの

 北山杉を教材に、「北山丸太」のできる過程を理解し、生産に携わる人々の知恵や苦労を知る学習でした。

 教師が黒板に課題を書くと同時に、子どもたちも、一斉にノートに課題を書き始めました。細かい学習のルールが自動化されていて、よく育っているクラスだという印象を持ちました。

 

 智恵や苦労を考えるための知識として、最初に、北山杉とはどういうものなのかを、プレゼンを使って教師が説明しました。子どもたちのつぶやきを拾いながら、その特徴をつかみました。ここでも、ICTが効果的に学習を効率化していました。
 
 次に、実際の磨き丸太を見て、その特徴をつかみました。映像だけでは、分かった気にはなれますが、実感を伴った理解にはいたりません。実物を見せることで、より具体的な理解につながり、思考を深めるベースになったと思います。

 

 3年生には、具体物を通した理解が欠かせません。この辺りを「もの」との対話と位置づけているのだと思いました。バーチャルとリアルがバランスよく配された授業でした。

 

 

☆4年社会:寺納豆と一休さん~まち探訪~

 大徳寺納豆は一休さんが考案したものだそうです。それが、現代まで残って作り続けられている理由、一休さんが考案した理由を考えることから、伝統文化を守ろうと努力する人々がいることに目を向ける学習でした。

 

 一休さんが考案した理由を考えるには、応仁の乱のあらましと当時の世相を理解する必要があります。今日は、一休さんのアニメを鑑賞し、教師の説明を聞いたようですが、子どもたちはその知識をちゃんと吸収して、自分の考えに反映させていました。ベースとなる学力の高さを感じました。

 とても京都らしい地域教材です。こういう教材を発掘する目をもつことが大事だと感じました。

 

 

☆5年社会:未来予想図21世紀の暮らし~日本と世界のつながりを考える~

 まず、身の回りにある便利なものから、19世紀から20世紀への社会構造の変化を理解します。その上で、21世紀の社会がどのように変わっていくかを予想することによって、エネルギー問題を中心にこれからの社会構造の変化を予想し、単元の道筋を見通す時間でした。

 

 授業の冒頭に、最近の気になるニュースを上げていくコーナーがありましたが、トヨタ車のリコール問題、陸山会と小沢氏、日本の財政赤字総額など、ハードな話題ばかりで、子どもたちの意識の高さを感じました。

  

 この授業も、教師の作ったプレゼンからスタートしました。1枚目のスライドは「5年生からの経済学」というタイトル。やや難しそうなところが、子どもたちのプライドをくすぐる、素敵なタイトルでした。

 スライドでは、PC、携帯電話、ペットボトル、医療器具など、暮らしを便利にする様々なものを10点ばかり見せた上で、さらに、子供たちに便利だと思うものを言わせていました。たくさん例示されるからこそ、発想がさらに広がるのだと思いました。

 一例見せる度に「便利ですね」と念を押したり、こどもたちの発言に対して「それは浅いな」「ちょっと近いな」と短く評価したりと、かける言葉に細かい配慮がありました。学習のねらいが明確だからこそ、発せられる言葉だと思いました。学びたい授業技術です。

 

 最後には、21世紀の社会は、循環型社会、持続可能社会であることが大事ではないかというところに、話が落ちていきました。結果としてESDの授業になっていくとは思っていませんでしたが、教師の方では、予想していたのかもしれません。

 40分きっかりで授業が終わりました。テンポよく密度の濃い授業は、40分でも十分なのだと思いました。

 

 

☆6年社会:参政権について考えよう

 第1回目の普通選挙が行われたころと現在の選挙に対する、人々の意識の違いを理解した上で、投票率が下がっている理由と、選挙に対する意識を高める方法を考える授業でした。

 初の普通選挙の様子の写真と新聞記事から、当時の人々が、強い関心をもっていたことを確かめたうえで、現代の問題を考えていく展開でした。

 子どもたちは、写真から実に様々なことを読み取っていました。「見方」が鍛えられていると感じました。また、歴史学習で学んだ事実を思い起こした発言もあり、習得した基礎基本を生かして考える授業になっていると思いました。

 

 写真は、授業者が、名古屋の中日新聞社まで出かけて手に入れたそうです。教材の発掘に対する強い思い入れを感じました。

 授業の後半で、投票率を上げるにはどうしたらよいのか、といった方向に子どもたちの意識が流れて、景品をつけるといった発言が飛び出しました。

 ここは、投票率が上がった理由と、投票率ではなく、「参加意識」を上げるにはどうしたらよいのかを、もっと掘り下げてもよかったのではないかと考えました。景品発言に対しても、それで意識を上げたことになるのかとつっこめばよいわけです。

 

 ただ、子どもたちは、今の政治の閉塞感みたいなものはしっかり感じていて、それに関わって考えていた子どもも多くいました。せっかく手に入れた参政権を、そんな風に扱ってよいのか、昔の人々の思いと対話することによって、子どもたちの感じ方もまた違っていったように思います。

 

 

☆3年理科:じしゃくのふしぎをしらべよう

 前時の学習から、磁石にはどのような力が働いているのかを予想し、グループディスカッションした後に、砂鉄を使って実験でそれを検証するという授業でした。

 子どもたちは、グループ討議の結果をA3サイズのマグネットシートに書き込み、それを提示しながら発表していました。理科の課題を解決する過程で、コミュニケーション能力を育てる指導が、ここでも行われていました。

 短い時間で図示する子どもたちの、基礎となる力の高まりを感じました。

 

 実験には、個人差がつきものです。指導案によれば、実験結果を検証するために、最後に「理科ネットワーク」のデジタルコンテンツを活用されたようです。ここでも、ICTが効果的に教材として使われていました。

 

 

☆5年・6年英語

 立命館小の英語は、良質のインプットをスパイラルに与えることを目的にしているようです。ALTが何人もいて、担任とのTTで授業を行っているようでした。授業は全て英語で進みます。ひょっとすると、教員の採用資格に、「英語ができること」というのがあるのでしょうか。

 子どもたちは、ネイティブな発音をシャワーのように浴びます。その機会が、モジュールの時間も含めてかなりあるので、英語の響きに慣れ親しむことが容易になると思いました。

 

 ただ、英語の堪能な先生とALTとの会話は、とても弾んでいましたが、かなりのスピードで、わたしには、何を会話しているのかよく分かりませんでした(まぁ、わたしの英語力のなさのせいですが)。

 子供たちは、それをじっと聞いていました。確かに良質のインプットだし、あの会話を理解しているのなら、たいしたものだと思いました。

 一方で、別のクラスでは、隣同士で会話してごらんと投げかけられても、なかなか口を開けないという場面もありました。たくさんの参観者の中で慣れない言語で会話するのは緊張するものです。

 

 「外国語活動」ならば、聞いてインプットする、話してアウトプットしながらインプットし直す、そういう活動をバランスよく配していくことが大事だと思いました。ネイティブの発音を聞いては、何度も繰り返して話していくことが、子どもたちの力を高めることになるのではないかと考えました。
 
 「外国語活動」ではなく「英語という教科」だとしたら、何をどのように学ぶのだろうと考えるきっかけになりました。

 

  

☆5年・6年国語(古典)

 立命館小の教育の特色のひとつに、古典学習の先取りがあります。この日も、2つの授業が公開されていました。

 古典学習では、内容理解、解釈が一番難しいところだし、教師の説明に終止しがちです。しかし、話を聞くばかりでは、作品のおもしろさや味わいを感じとるのは難しいところです。

 例えば、俳句の学習では、ある程度手がかりを与えた上で、どのような情景や気持ちを読み込んだものかグループ討議させるなど、子どもたちの作品解釈を引き出す展開が工夫できるなと考えました。
 
 古典の学習は、まだ始まったばかりなので、今後さらにバージョンアップされていくのだろうと思います。

 

 

☆6年立命:人生をよりよく生きるために~2つのトレーニングを通して

 「論語」の素読による生き方モデルの獲得と、友達とのコミュニケーションを図り、互いの思いをシェアするよさを味わうライフスキルの習得を目的とした時間です。道徳の時間にあたるようです。

 

 最後に、教室を二つに分け、二人の教師がそれぞれのグループに入って車座になり、今日のテーマについて語り合っていました。心温まる終末で、とても素敵でした。

 ソーシャルスキル、ライフスキルなど、人とのかかわり方、自分とのかかわり方を学ぶことは、今の子どもたちには大切なことかもしれません。

 


 いずれの授業も、これまでの既習事項を基礎基本とし、その上で、思考力、判断力を高めていこうとする点が共通していると思いました。

 また、どの教科も、教科書から離れた教材を開発していましたが、子どもたちが学習することを楽しむには、こういう学習もまたあってよいと思いました。

 教材を開発できないまでも、楽しみながら学習するにはどうするか、という視点をもって授業を構成することは、当然のことですが、改めて大事だと感じました。

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