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2010年5月 5日 (水)

見える学力、見えない学力(岸本裕史)

 百マス計算の生みの親、岸本裕史先生の、そのベースとなる考え方を伝える1冊。蔭山英男先生@立命館小副校長も、杉田久信元山室中部小校長も、その実践は、岸本氏の考え方に共感したところから始まっています。

 

 現行学習指導要領では、学習内容の削減が話題になりましたが、その前の学習指導要領は、過去最も内容が多く、しかも、学年が降りて前倒しで学ぶことになった内容が大変多いものでした。

 来年度から実施の新学習指導要領では、旧指導要領の内容が復活しています。しかも、旧の時よりは、授業時間がかなり減りました。社会環境も変わり、保護者の意識も変わっているように感じられます。

 そんな中で、子どもたちに確実に学力をつけ、考える力を身につけさせるにはどうしたらよいのか。その問いに答えてくれるのが、本書だと思いました。

 

 1994年に改訂された本書には、こんな一節がありました。

 「これからは新しい学力観が大切だという文教政策は、必ずや低学力の子どもたちを増やし、全国化していくことでしょう。そして、21世紀になって、『新学力観なるものはまちがっていました。やはり、読み書き計算が学力の最も基礎でした。改めます』となりましょう。」

 残念なことに、著者の予言そのままに、世の中は推移してきました。

 現行学習要領の理念が、学校にも社会全体にも十分伝わらないまま、体験だけして力がつかない実践が起こってしまったことは、文部科学省自身も反省しているところです。(幸いなことにわたしのまわりでは、そういうことはあまり起こらなかったように、わたしは思っています。)

 

 しかし、一方で、著者は、総合的な学習のような知的探究を伴う学習を、否定しているわけではありません。

 高度な科学的知見を身につけたり、現代社会の問題を考えたりする上では、読み書き計算の力を身につけていることが基礎になるというのが、岸本氏の主張です。基礎学力は、生きていく上での決定的な条件と考えています。

 筆者の論調は終始歯切れよく、かなりエキセントリックで、それでいて、十分納得のできる内容ばかりです。

 

 それにしても、「落ちこぼれ」が社会問題になった頃のように学習内容が増え、しかも、授業時間はさほど増えず、高学年は毎日6時間授業となって多忙観ばかりが増している学校において、誰もが学力をつけていくことは、並大抵のことではありません。

 ICT活用も含めて、これまでとは、ちょっと違った感覚で実践に取り組んでいく必要があるなと、本書を読んで改めて感じました。

 今日現在、amazonには、古書しかないようですが、こちらからたどれば、各種ネット書店で新刊が入手できるようです。

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