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2010年9月26日 (日)

日本は世界5位の農業大国(浅川芳裕)

 日本の農政を豊富な資料を基に批判した1冊。

 今の政権が進めようとしている所得保障制度は、作らなくても赤字を補填する制度だから、場合によっては請負っている土地を取り返されることになって、農業会社が困ることになるのではないかという危惧を持っていたが、同じようなことが書かれていて「やはり」という思いを強くした。

 

 我が国の農業は決して衰退産業などではなく、生産額は世界5位を誇っていること。
 GDPの落ち込み具合に比べて、農業GDPは、ずっと高順位を維持していること。
 農業人口の減少は、先進国に共通しており、優良な農家だけが残る過程に過ぎないこと。
 農業人口の占めるパーセンテージはフランス、アメリカといった農業大国と変わりなく、むしろまだ日本の割合の方が高いこと。
 日本の農業生産の多くは、優良な農業経営によって生み出されていること。
 なのに、現政権の所得保障は、生産額自体は少ない趣味的な農家(筆者は疑似農家と表現)を対象にしていて、健全な農家を圧迫すること。
 一足先に自由化した、果実、肉牛の生産農家は、国際競争力を持ち付加価値の高い生産を行っていること。
 
 等々、これまで農業に関して常識として言われてきたことが、ことごとく誤りであることを、データを駆使して説明している。

 

 自給率云々を国是としているのも日本だけであることや、イギリスなどは、むしろ真っ向から自給率を喧伝することのナンセンスさを論じていることなども明らかにされる。

 単に批判するだけではなく、どのようにしたら日本の農業が発展していくか、そのときに、農政が果たす役割が何かも、合わせて論じているのがよい。国内外の実情に関する豊富な知識に裏打ちされた主張には納得できることも多かった。

 

 自給率の出し方にはあまり意味がないと、近年のマスコミでも取り上げられることがあるが、そのからくりも分かりやすく示されている。日本の農政の有り様を鎖国的、自虐的と断じ、補助金農政をやめることが日本の農政の発展につながるという主張からは、これまでとは違った農業の見方を示唆された。

 筆者は月刊誌「農業経営者」の副編集長。これまでは、主流の考え方ではなかったのかもしれないが、本書が講談社の新書に入っているということは、一定の合意を得られるようになってきたということか。

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