読書生活

2009年12月20日 (日)

解き方いっぱいドリル(堀田龍也編著)

 算数の学習では、どの学年にも、つまずきそうなポイントがあります。そのポイントに対して3種類の解法を示し、例題で解けるようになったかを確認し、さらに、練習問題で定着を図ろうという、子ども向けの算数学習本です。

 イラストや図・表が満載で、キャラクターが学習を的確にナビゲーションしてくれるなど、かゆいところに手が届く1冊でした。

 

 ポイントとして挙げられているのは、何倍かを求める計算、四捨五入の問題の解き方など、「そうそう、これって引っかかるところだよね」とうなずくところばかりです。

 解法も、現場の先生方が考えているもので、納得できるものばかりです。しかも、3つずつ解き方がのっているというのが、心憎いと感じました。

 これだと、その子どもの傾向に応じて、指導しやすくなるし、3つの解き方すべてが理解できるとしたら、その子どもは、確実に習得し活用できる状態あるといえるでしょう。

 

 これまで、経験的に取り組んできたことも書かれてあるから、同意しやすいのだと思います。そして、これまでは各自の先生が個々に工夫していたことを、これだけたくさん、ちゃんと見える形にしたところにも、また価値があります。

 

 問題解決学習を金科玉条のように考えている方には、なかなか受け入れられない展開かもしれません。でも、この本を読んで確実に算数がわかるようになった子どもは、ちゃんと算数が好きになれると思います。そんなことを予感させてくれる1冊でした。

 すべての子どもたちに、確実に算数がわかるようにしたいと考えている先生には、お勧めします。また、このBlogを読んでいる保護者の方も、お子さんにお求めになってはいかがでしょう。

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2009年11月 1日 (日)

子どもを注目させる指示・発問・説明の技術(上条晴夫)

 「授業成立の基礎技術」シリーズの1冊。発問・指示の仕方のちょっとした転換で、子どもたちは主体的になる。その「ちょっとした転換」は、この20年間の間に、「教育技術」として確立してきた。本書は、それを端的に整理している。

 今日から生かせる内容が満載。若い人にもお勧めだが、若い人と組んだり指導したりしている教師には、さらにお勧めかも。

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2009年10月26日 (月)

あなたの勉強法はどこがいけないのか?(西林克彦)

 ちくまプリマー新書は、高校生ぐらいを対象にしているようで、その分、表現が平易で読みやすい。

 知識をただ暗記するのではなく、他の知識と関連づけ体系化していくことで、知識を使えるようになっていくことを、具体的な事例で示していく。

 割り算は、「分けること」と考えるよりも、「1あたりの量を求めること」と考えた方が、分数や小数の割り算を考えやすいこと、知識があるのにできないのは思考力のせいではなく、補助知識が足りないことなど、指摘されれば納得の話で一杯だった。

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2009年10月11日 (日)

誰でも成功する発問のしかた(加藤辰雄)

 この筆者の著作では、以前「板書のしかた」という本もあった。どちらも、基本となる場面、方法、留意点を具体的に示しているが、本書の方が、実践的に役立つと感じた。

 著者個人の考えだけでなく、大西忠治氏の名著「発問上達法」など、不易な情報を参考にしている部分も多く、納得度は高い。

 確実に習得した上で、それを活用できる授業を目指すには、必読本だった。

 ついでにこれも再掲。

    

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2009年9月27日 (日)

必備!理科の定番授業 小学校5年(鷲見辰美編著)

 教科書に基づいた展開でありながら、実験・観察を通して実感的な理解を図るための、典型的な指導例が示されている。

 確かに「定番」として、参考になる実践がたくさんあった。それぞれの学年ごとに1冊になっている。

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理科 ポイントと授業づくり(新世紀型理科教育研究会編著)

 編著者名はなにやら仰々しいが、このシリーズは、新学習指導要領解説の執筆協力者が中心となって編集しているシリーズ。現時点では、もっとも学習指導要領の思想を反映した、一次資料的実践事例集である。

 冒頭に、新指導要領における理科教育の考え方についての解説があり、各学年の目標とねらいが示され、さらに各単元の全体計画例が示されている。

 理科では、3年「比較」、4年「関係づけ」、5年「条件統制」、6年「推論」が各学年のキーワードになることなど、重要事項が端的に示されていて、心地よい。内容と厚みの割には値段も安い。

 総則編もよかった。記事はこちら

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2009年9月23日 (水)

どの子も発言できる力がつく授業づくり(上條晴夫)

 授業成立の基礎技術と銘打たれたシリーズの6巻目。子どもの質問力、発言力を高めるための、教師の手だてが様々に示される。

 それも、隣同士で話し合ってごらん、と言っても子どもが動かないときにはどういう言葉をかけるか、スピーチの内容がいけてなかったときにどうするか、といった、一段階深い指導の事例がたくさん出ている。

 

 教師のちょっとしたパフォーマンスで、子どもが考えるようになったり救われたりする。かなりニッチな指導を集めた本だが、そういう指導の有無が学級経営の成否を決めるのだとすると、本書は大変重要な内容を示している。

 できることは、明日からやろうと思わせてくれる1冊だった。

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考え・表現する子どもを育む理科授業(森本信也編著)

 11月の公開研では、理科の授業をする予定。というわけで、理科指導に関する本を大量に買い込んで読んでみた。その中の1冊。

 理科指導のキーワードは、実感を伴った理解。単に、理解するだけではなく、観察・実験といった体験を通して、確実に理解し習得するところが、理科では重要だ。本書では、表現する活動を通して、実感を伴った理解を、体験や生活と結びつけて考えさせようと試みている。

 溶解をイメージ画でかかさせるくだり、天秤のつり合いを算数的な計算だけではなく、手にかかる感覚で表現させるくだりは、かなり参考になった。

 

 表現することは目的ではないが、理解を確実なものとするためのは、表現できるようになっている必要がある。

 本書では、かなり子供らしい言葉による表現が随所で見られる。言葉がつたなくても、科学的な視点で表現してあれば良しとするか、ある程度、科学的な表現まで高めるのを良しとするか、そこがまた迷うところだ。

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「活用型」学習をどう進めるか(浅沼 茂編著)

 新学習指導要領では、「習得」と「探究」をつなぐものとして登場した「活用」。その「活用型授業」に対する様々な考え方をまとめた1冊。

 戦前教育に範をとるものから、PISA調査における思考力の分析まで、内容はホントに様々。セオリーではないにしろ、「活用型」のとらえ方が、多様であることはわかる1冊。

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家庭学習の知恵・三訂版(辰野千寿:図書文化)

 効果的な学び方・学ばせ方の家庭教育版。これも、初版は、1969(!)年とかなり古いが、当時の子どもたちがいかによく勉強していたか、当時の常識がどれほど高みにあったかが伺われる1冊。

 家庭で学習する時間は、1年生で30~1時間、(中略)5年生以上は2時間から2時間半ぐらいが適当でしょう。などと、簡単に書いてるのだから恐るべし。

 日本人が忘れてしまった勤勉さを振り返るには、とてもよい1冊。今、本書と同じことを行おうとするのは、かなり難しいが、それでも、理想のモデルにはなり得ると思う。

 上手な授業の受け方や本の読み方、教科の勉強法など、今改めて読み直したらけっこう役立つ不易な情報がかなりある。

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